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『博士の愛した数式』を私も愛したい!(1)数学の三大分野

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物語に出てくる博士の愛したこの式 ↓ 

\[\Huge e^{i\pi} + 1 = 0 \]

オイラーの等式と呼びます。

18世紀の中頃(日本でいうと8代将軍吉宗の頃)にオイラーくんが発見した式です。

 

この式を生まれて初めて見た人は「なんか見慣れないアルファベットが並んでるな…」と思うでしょう。高校3年生なら数学の授業で習うんですが、おそらくほとんどの人が

イミフだし〜!

だと思います…

 

\[\Huge e^{i\pi} + 1 = 0 \]

1と0はいいですよね…

問題は左辺の3つの記号です

実は、これらはそれぞれ数学の三大分野に由来する立派な数字なんです !

  • 代数の数\(\Huge\quad\Rightarrow i\)
  • 幾何の数\(\Huge\quad\Rightarrow \pi\)
  • 解析の数\(\Huge\quad\Rightarrow e\)

この3つの数字が組み合わさって左辺と右辺が同じになる 摩訶不思議な式です…

 

数学の三大分野

ここでは式の本格的な説明に入る前に3つの数字の由来となっている数学の三大分野について解説したいと思います。

代数学

中学生で習う1次方程式、2次方程式なんかが代数学です。変数と式、足算・掛け算について研究する分野です。

「\(i\)」はイタリアの数学者が16世紀の中頃に発見した数字です。3次方程式の解の公式を創る際に導入された数字なんですが、最初は詭弁的(きべんてき=こじつけ)とまで言われた可哀想な生い立ちの数字なんです…

数学者たちが「\(i\)」を受け入れ、積極的に使うまでには200年の時が必要だったんですね… でも今の数学、物理学は「\(i\)」なしでは全く回りません! 生まれてすぐは忌み嫌われ、大人になって賞賛されるようになった、まさに醜いアヒルの子ですね…

 

幾何学

ズバリ図形を研究する分野です。円や球、三角形や四角形について探求します。

「\(\pi\)」はもちろん円周率(3.14…)ですよね!小学校で習う数字です。そう!半径1の円周が「\(2\pi\)」です。

皆さんは円周って \(\pi\) だったっけ?それとも \(2\pi\) だったっけ?と悩んだ経験ないですか? ちなみに私は今でも悩みますwww

でも大丈夫、図を書くと一発で分かります!

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どうです? こんな感じで幾何はいわゆる「見える化」する便利な道具になります。直感的な理解のためには必須の道具ですね!

前述の「\(i\)」も19世紀初頭にドイツの数学者ガウスくんがガウス平面というものを導入して一気にブレイクしました!もちろん「オイラーの等式」を理解するためにも必要不可欠な道具になります。

 

解析学

微分・積分や関数を研究する分野です。無限の概念を扱うところがその一番の特徴です。

指数関数はオイラーの公式でも登場する非常に重要な役者なんですが、高校生にならないと習いません。このように、残念ながら中学校までの数学ではこれぞ解析!と呼べるような物は登場してきませんが、「2次関数のグラフ」に少しその片鱗があります。(映画「真夏の方程式」を観た方はわかると思いますが、湯川教授がペットボトルロケットの飛距離を計算していたやつ!あれが解析です。)

「\(e\)」はまさにこれぞ解析!という数字なんですが、それを説明するためには、どうしても「微分」が必要になってきます。でも心配しないで大丈夫!中学生でもわかるように連載の中で順を追って説明していきます!  

 

オイラーの等式

\[\Huge e^{i\pi} + 1 = 0 \]

オイラーの式を再び見てみますと… 前述した「\(e\)」「\(i\)」「\(\pi\)」と1・0が過不足なく並んで、なんとも不思議だけど美しい式になっています…

この式は代数・幾何・解析の数学三大分野を結びつける式になっているんです!

 

ここから先は全くの私見ですが…

数学はヨーロッパの他にインド・中国・日本でそれぞれ独自に発展しました。特にインドは代数・幾何の発展が目覚ましかったです。しかし、18世紀以降に数学が急速に発展したのはヨーロッパで、それはこの代数・幾何と解析が結びついた所(オイラー)から始まったのではないか?と思うのです。

惑星の運行、暦の計算、代数と幾何、これらはインド・中国・日本でも発達しました。しかし、解析、特に複素数を用いた解析に端を発した数学の発展はヨーロッパでのみ起こった。その扉を開いたのがまさにオイラーの公式だったんじゃないか?と思うんです。 

 

さて、オイラーの公式に関する導入はここまで、次はまず「\(i\)」について詳しく説明していきます。

 

その前に、脇道にそれますが、数学の違う分野がいかに美しく融合するか?をピタゴラスの定理を例に見てみます。(ここから先は本論とは関係ないので読み飛ばしてもOKです) 

ピタゴラスの定理

「直角三角形の2辺をそれぞれ2乗して足すと斜辺の2乗と等しくなる」っていう超有名な幾何の定理です。

式で書くとこんな感じ → \(a^2+b^2=c^2\)

図形で書くと「黄色の部分の面積と緑の正方形の面積が同じになる」ということです。これを幾何の問題として解いてみましょう!

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ステップ1 三角形の問題にする

まず、問題を左の図形と右の図形に分けます。直角の頂点から大きな正方形へ向けて垂線を引きます。そこで出来た左の長方形(緑)と一辺がaの正方形(黄)が同じ面積になることを示します。(実際には緑の長方形と黄色の正方形をそれぞれ1/2にした三角形を考えます。)

これが出来れば右の図形も同じことが言えるので、結局、最初の図の(黄色の部分の面積)=(緑の部分の面積)が言えたことになります。

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ステップ2 三角形を変形させる 

緑で塗りつぶした三角形の頂点を↑の方向にぐい〜んと移動させると、右図の緑線で囲まれた三角形が出来ます。そして、左右の緑三角形は同じ面積です。

これと同じように、黄色で塗りつぶされた三角形の頂点を→の方向へぐい〜んと移動させると、右図の黄色線で囲まれた三角形が出来ます。そして、これも同じく、左右の黄色三角形は同じ面積です。

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ステップ3 三角形を回転させる

最後に右の緑線で囲まれた三角形と黄色線で囲まれた三角形をよ〜く見てみると、90度回転させると重なることが分かります。つまり、緑線三角形の面積と黄色線三角形の面積は同じということです!

元に戻ると、黄色い2つの正方形の面積の和と緑の大きな正方形が同じ面積ということが言えました。  

 

もう1つの証明法

幾何の証明では3ステップぐらい問題を解きほぐす必要がありました。これに対して今から示す代数と幾何を使った方法だと一発で証明が出来ます!

 

まず下準備として、図のように直角三角形をコピーして緑の正方形の周りに配置します。 

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すると、一番外側に大きな正方形が出現します!

この正方形は一辺が \(a+b\) なので、面積は \((a+b)^2\) となります。

そして、この式を展開すると(=代数)\(a^2+2ab+b^2\)となります。

一方、緑の正方形と4つの三角形の面積を足したものは、\(c^2+4\frac{ab}{2}\)となります。

この2つが等しいので

\(a^2+2ab+b^2=c^2+4\frac{ab}{2}\) となり

両辺から \(2ab\) を引くと

\(a^2+b^2=c^2\)

となります。

ね!魔法のようでしょ!

 

このように数学の異なる分野を融合させると魔法のように美しい説明ができるようになることが多くあります。そして究極の魔法がオイラーの等式です。

\[\Huge e^{i\pi} + 1 = 0 \]

この式で代数・幾何・解析の3分野が美しく融合するのです!

 

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