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おすすめ『星の王子さま』(文庫本)どれを買うべきか?に迷ったら…

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(右下から時計周りで、岩波文庫、新潮文庫、講談社青い鳥文庫、集英社文庫、角川文庫)

 

皆んな大好き『星の王子さま』(http://www.lepetitprince.co.jp/top.html
「さぁ、読もう!」と思ってAmazonで検索してみると星の数ほど出てきますwww

どれも評価は高く
もう…どれ買えばえぇねん!
状態ですよね…

そんな方のために本記事では、中でも手頃な文庫本5冊をレビューしちゃいます!そして最後にオススメの一冊を独断と偏見で選ばせて頂きました…
初めて読む方も、久しぶりに読んでみたいな!と思った方も、どうぞ参考にしてみて下さい…

 

岩波文庫

星の王子さま (岩波文庫)

星の王子さま (岩波文庫)

 

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最も古くて、最も新しいのが、この岩波文庫です。
最初(1953年)は岩波少年文庫として出版されたんですが、あまり売れなくて、大型本にしたら爆発的に売れたんだそうです。(その辺りの事情は付録の解説に詳しく書かれています。)
私も大型本がオリジナルだとばっかり思っていました… そして最近(2017年7月14日)文庫版になって出版されたのがこの本です。 
 帯に歴史的名訳って書かれていています。確かにその通りの名訳なんですが… いかんせん、年代が古いので時々、???な言葉使いが出てきます。例えば、ボルトのことを「ボールト」と書いています。昔はボールトって言ってたんですかね?
あと岩波少年文庫だということもあって、子供向けにひらがなを多用しており、それが却って読みづらくしています。

それ以外はとても原文に忠実に、かつ、わかりやすく訳されており、歴史的名訳という形容が決して大げさではないという印象です。

評価は全ての基準ということで本文星3つイラスト星3つにしました。

なお、文庫版のボーナストラックとして、内藤初穂さん(翻訳者の息子さん)の書いた解説が付いています。私も知らなかったんですが…皇后美智子さまとの関わりも書かれているのでご興味のある方は是非お手にとって読んで下さい!

 

新潮文庫 

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)

 

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河野さんの訳はとてもわかりやすいです!

実際、昔「星の王子さま」(内藤さん訳)を読んだ時は3回ぐらい読まないと最後まで辿り着けなかったんですが(どうしても途中で挫折してしまう…)河野さんの訳だとスラスラ読めました…

どうしてか?を考えてみたんですが、内藤さんの訳が原文に忠実に簡素に書いてあるのに対して、河野さんの訳は行間を解説するように書いてあるんですね…

例えば、6節の冒頭

ああ!小さな王子さま、こうして僕は、ささやかでせつない君の人生を、少しずつ理解していった。きみには長いあいだ、やさしさに満ちた夕暮れどきの景色しか、心をなぐさめてくれることがなかったことも。この新しい話を、僕は四日目の朝、きみがこう言ったときに知った。

(この後、二人の会話が続く…)

うん!わかりやすい!

原文のこの部分にあたる場所はもっと簡潔に書かれています。でも、そのニュアンスも含めて日本語で伝えようとすると、どうしてもこうなってしまうんですよ…

で、評価としては本文が星5つで、イラストは岩波文庫と基本的に同じなので星3つにしました。

 

講談社青い鳥文庫 

星の王子さま (講談社青い鳥文庫)

星の王子さま (講談社青い鳥文庫)

 

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この文庫本のコンセプトはズバリ子供のための「星の王子さま」です。

訳としては、子供でもわかりやすいように河野さんの訳と同じぐらい読みやすく訳されています。そして、極め付けは、全ての漢字に読み仮名がふってある事です。

残念ですが、この結果、大人は却って読みづらくなってしまいます…

また、本のサイズ、これが通常の文庫本より少し大きい、というか長いんです。この本の外観を見た時点で、大人の方はおそらく敬遠しがちになるかと思います。あと、残念なことに… イラストは表紙以外は全て白黒です。(表紙は可愛いポストカードになります。)

評価としては、本文は読みやすい部分がプラスで、ルビがうざい所がマイナスで、トータルとして星3つ、イラストは星2つとしました。

 

集英社文庫

星の王子さま (集英社文庫)

星の王子さま (集英社文庫)

  • 作者: Antoine de Saint Exup´ery,アントワーヌ・ドサン=テグジュペリ,池澤夏樹
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/08/26
  • メディア: 文庫
  • 購入: 4人 クリック: 43回
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池澤さんの訳を一言で言うなら大人を意識した訳です。わかりづらくても躊躇なく難しい言葉を使って大人の読者に読ませる…っていう感じです。

一番それが顕著に現れるのが15節の地理学者との会話です。

酩酊した目にはものが二重に見えるから。

これが例えば内藤さんの訳だと

呑んだくれのやつには、ものが二つに見えるからさ。

となります。 

原文だと

Parce que les ivrognes voient double. 

Parce que=Because、voient=見える、で問題は ivrogne ですが、これは単に酔っ払いというよりは、もう完全に出来上がっている状態「ぐでんぐでん」とか「へべれけ」っていう感じの言葉なんですよ…

それにしても酩酊ってwww 日頃使ったことがある人ほとんどいないと思います…

確かに「呑んだくれ」をスパッと言うためには「酩酊」しかないかもしれませんが、Le petit princeが世界中で1億5千万冊も読まれているのは、簡単な言葉で深い意味を伝えているからだと思うんです。やはり日本語に訳す時はスパッといかなくても簡単な言葉で表現する方がいいと思うんですよね…(超、上から目線ですみません…)

ということで、本文は星2つ、イラストは全部白黒なので星1つと厳しい点数にしました。

なお、翻訳者のあとがきはどの本にも付いているんですが、本書のあとがきが一番良かったです。さすが芥川賞作家!(ってフォローになってないか…)

あと、この本は5冊の中で唯一横書きとなっています。横書きが好きな方は是非手にとってみて下さい!

 

角川文庫 

星の王子さま (角川文庫)

星の王子さま (角川文庫)

  • 作者: サン・テグジュペリ,管 啓次郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/06/23
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この訳は、かなりエッジが効いています!振り切ってます!

なんせ、王子の台詞の一人称がおれで、サン・テクジュペリのことをおまえって呼ぶんですよwww 王子の言葉使いも荒っぽいです… なぜそうしたか?は、ネタバレになるので、ここでは書きません。是非、本を手にとって翻訳者のあとがきを読んで下さい。

多分、この訳は好きな人と嫌いな人に真っ二つにわかれるんじゃないか?と思います。

で、私はというと… 好きです…

評価としては、本文が星3つで、イラストが基本的に岩波文庫と同じなので星3つとしました。(私の個人的な好みでは本文星5つなんですが…)

あと、私は偶然そうしたんですが… 本書は、あとがきを最初に読んでから本文を読むと良いと思います。心の準備がない状態で本文を読むと、最初のショックから立ち直れないまま最後までいってしまうと思うんです… だから、翻訳者の考えと訳の背景をちゃんと認識した上で読むことをオススメします。

 

以上をふまえて、オススメの1冊を発表します!

初めて読む人(小学生)にオススメの1冊 

星の王子さま (講談社青い鳥文庫)

星の王子さま (講談社青い鳥文庫)

 

漢字が読めなくても大丈夫!全てルビが振ってあります。子供でもわかるように丁寧に訳されているので簡単に読めます!お子さんや、甥っ子姪っ子へのプレゼントに最適だと思います… 表紙は可愛いポストカードになります。こういう仕掛けは、女子小学生とか大好きなんじゃないかな?

 

大人にオススメの1冊 

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)

 

初めて読む人も、久しぶりに読む人も河野さんの訳がオススメです!原文を直訳するとわかりづらくなる部分は、ちゃんと言葉を尽くして表現されています。

スーっと頭に入ってきて、あっという間に読めてしまいます…

もちろん、裏に込められた深い意味まで解説するような野暮なことはしていないので、何回読んでも新しい発見があると思います…

 

何回も読んだ事のある人にオススメの1冊 

星の王子さま (角川文庫)

星の王子さま (角川文庫)

  • 作者: サン・テグジュペリ,管 啓次郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/06/23
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初めて読む人はやめた方がいいと思います。でも、久しぶりに読む人や何回も読んだことのある人は是非トライしてほしい一冊です!

最初はガチで面食らいます… おれおまえですよ! そんでもってちび王子ですwww

でも読み進めていくと、なんだか慣れてきて… 最後には超リアルに感じてきます。

お行儀のいい王子とは一味違ったリアルなガキんちょがそこにいます…

そして多くの大人が忘れてしまった本当に大切な事を教えて星に帰っていくのです…

この本以外の普通の訳を読んでいると、読後に、砂漠での出来事は夢だったんじゃないか?という何かフワフワした感覚があるんですが、この本だと本当に王子は実在してたんだ!という実感が湧いてくるから不思議です…

まぁ、でもイラストのか弱そうな王子とは永遠にマッチしないので、その点はどうしようもないんですが… それを差し引いても是非読んでもらいたい一冊です!

 

最後に番外編

The Little Prince: Unabridged with Large Illustrations - 70th Anniversary Edition (Antoine de Saint-Exupéry et Le Petit Prince) (English Edition)
 

Kindle本ですが、英語訳のこの本が超!読みやすいです!

しかも日本語版には未収録のイラスト(↓)もあったりします!

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(イラストはぼかしてます)

 

で、お値段が爆安!!

通常価格でも100円切るんですが、買って見たらあら不思議!10円になりましたwww 

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英語訳の内容はというと、ほとんどフランス語の直訳です。もっとガチな詩みたいに韻をふんでいたりして読みにくいかも?と思って身構えてたんですが、全くそんな事はないです! 高校生なら辞書を少し引けば読めるぐらいの難易度です!

やっぱりLe petit princeは、簡単に書かれた深い読み物だったんですね…

詳しい解説は別の記事で書くとして、とにかく値段も安いですし… 試しにポチっても損しないと思います! 是非パラパラっと見てみて下さい!