はじめに
2007年をピークに、私はこれから書く非常に辛い時代を過ごしてきた。
やっとその傷も癒え、客観的に過去の出来事を顧みられるようになったのが昨年あたりだ。
いつかその内容を今苦しんでいるかもしれない人(特に若い人)に伝えよう
と思っていたのだが、なかなかキッカケが掴めないでいた。
そんな中、今ホットになっている下記の件を拝見した。
Google 辞めました - アスペ日記
真鍋氏の場合、一人孤立した状態だったようなので
私のケースとは比べものにならないぐらい辛かったと想像する。
(私の場合は、数人の共感者・共謀者がいた)
よって、ここで書いていることは真鍋氏のケースにジャストミートする
というわけではないだろうが、きっと同じような悩みを抱えている若い人も多いことだろう。
そのような方々に少しでも参考になればと思い、ここに筆を執る。
ダメな人
この文章が対象にしているダメな人は、基本的に仕事上付き合うダメな人、
特にダメな上司やリーダーを想定している。
(親族、特に親や子供に対する話もあるが、それはまた別の機会に書きたい)
ここでダメというのは、絶対的、客観的なダメではなく、あくまで主観的なダメだ
あなたが「こりゃダメだわ。。」と思うダメである。
そして、この話の結論は、ダメな上司に
「あなたはカクカクシカジカの理由でダメです!」
と決して言ってはいけない、というものである。
これを言ってしまうと、これから話す地獄が始まってしまう。。
地獄へ至る3段階
第1段階 蜜月時代
元々上司がダメな場合、実は話はそんなにこじれることはない。
最初から、「ま、そんなもんか」とか「自分にはわからない別の価値観があるのね」ぐらいで折り合いをつけて生きていける。
また、この場合は自分からそういう組織に参加する可能性も少ないだろうし、
仮に止むを得ず参加させられたとしても全力で脱出する方法を探せば良い、ということで話が終わる。
問題がより深刻になるのは、第1段階蜜月時代がある場合である。
蜜月時代とは何か?
それは、あなたと上司(組織)が非常に良い関係にある時代のことである。
この上司(組織)は素晴らしい!
センスもあるし、能力もある、そして何より可能性がある!
この上司(組織)のために、自分は少しでも力になれたらいいな。。
と思う時代が、地獄へ至る道の途中で必ず存在するのだ。
つまり、この蜜月時代がないと次の第2段階へ決して進まない。
第2段階 確執時代
第1段階が永遠に続いたとすれば、それは幸せである。
そういうことも、きっとあるだろう。。
でも、ある日突然第2段階確執時代は訪れる。
今までナイスだと思っていた上司が、急に??な事を言い出す。
最初は何かの気の迷いかな?と思っているうちに、どんどん暴走しはじめる。。
自分の価値観、センスでは考えられないようなことを言ったり、しだすのだ!
これが、第1段階の蜜月時代がない場合だと、「何か外部環境が変わったんじゃないか?」ぐらいに冷静に受け止めることができる。
ところが蜜月時代があると、「どうして、あんなナイスだった上司が、こんなにダメな事になったんだ!」という困惑・怒りが爆発してしまうのだ。。
つまり、上司が変貌したことにより、自分の価値観そのものが否定されるのだ。
自分だったら、絶対ああいう考え方はしない!
上司は自分と同じセンス、価値観を持っているはず!
これは俺がいっちょ軌道修正してやらねば!
となり、
「あなたのやり方はカクカクシカジカの理由でダメです!」
「そうじゃなくて、絶対こうしたら良いんですよ!」
(普通のセンスなら、こうしますよね)
と言ってしまう。。
さぁ、地獄の始まりだ。。
これを言われた上司が
「なるほど!君の考えは一理ある。私がとち狂ってました。。」
と会心する可能性は、限りなく0に近い。
最初、あなたの意見はスルーさえる。
それでもしつこくあなたが主張すると、あなたは必ずスポイルされる。。
それでも、あなたは主張し続ける。
何故なら、この事態に主張しないことは、あなた自身の価値観の否定になるからだ。。
第3段階 無気力(無関心)時代
確執時代が暫く続いた後で、最後の無気力時代に突入する。
どうせ言っても、何も変わらない。。
と思い、何も言わなくなる。
ダメだと思っている上司(組織)の元で、サボタージュをきめこんで生きていく。。
なぜなら、どうせやっても意味がない、ダメだと思っている作業なんて、やる気がおきないから。。
時には形だけやったことにするだろう。。
でも何の意味もない。
そんな心の通っていない作業、中学生の仕事にも劣ってしまう。。
こんな地獄の日々が延々と続くのだ。。
はっきり言おう。
この時点で、あなたはプチ鬱状態になっている。
この無気力時代が長く続けば続くほど、あなたの精神は病んでいく。。
何事にも無気力になり、あなたの脳は破壊されていく。(実際に細胞が死んでいくのだ!)
真鍋氏の場合、比較的傷の浅い時点で関係を清算できたようなので良かったが、
この暗黒時代は出来るだけ短くしなくてはいけない。
元の状態に戻るには、この無気力時代で過ごした時間と同じ時間を必要とする、と考えると良い。
いつか私の言ったことにみんながひれ伏す時が来ると思ってはいけない
この考えは、無気力時代にありがちな思考、悲劇のヒーロー、ヒロイン思考だ。。
いつか上司や組織、仲間が自分の言っていた事をわかってくれて、懺悔してくれるだろう。。
という期待を胸に、地獄の日々を過ごしてしまう。。
この可能性も残念ながら限りなく0に近い。
理由はこうだ。。
- もしあなたが知らない決定的な情報があって、上司の判断が正しい場合
この場合は、「なぁんだ、早く言ってくれればいいのに・・」という風になるが、
まぁ、この可能性はそんなに高くないだろう。。
何故なら、この場合、上司も何らかのサインを出すはずなので、、
- もしあなたが正しくて、本当に上司がダメな場合
この場合は、数年たてば必ず、その組織、会社が立ち行かなくなる。
なぜなら組織、会社は他社と競争しているから、、
肝心なのは、この時「あぁ、あいつの言ってたことは本当だったんだな・・」とは決してならない
ということだ。。
修羅場においては、みんな自分のことで頭がいっぱい、
過去に誰が何を主張していたとか、ほんとどうでもよい
結局、あなたが、あなたの命を懸けて主張したことは歴史に残らない。。
残念ながら、それが現実なのだ。。
相手を説得する方法
ダメな人にダメだと言った結果、どんな地獄が続いているのか、という話はここでおしまい。
(今、自分で読んでも痛々しすぎる。。)
では、どうすれば良かったのだろう。。
それは、上司を説得することしかない!
でも、それを行うには心の余裕がどうしても必要となる。
具体的には以下の2点が必要だ!
- 自分が間違っているかもしれない、という謙虚な気持ち
最初に前置きした通り、あなたがダメだと思っている事実は、あくまで主観的な判断でしかない。
もしかしたら、あなたのセンスが変な方向に向かっている、
もしくは、環境の変化に追随できないでいるだけなのかもしれない。。
仮に99%あなたの判断が正しかったとしても、1%の不測の事態は起こりうる。。
それぐらいの謙虚な気持ちが必要だ。。
でも、当事者はなかなか、こう冷静には考えられないんだよね。。
- 相手をリスペクトする気持ち
人には歴史がある。それまでの生きてきた人生、プライベート、義理人情だってある。。
自分は上司、仲間の事をよく理解していた、と思っていても
上司、仲間の心の半分もわかっていない、というのが事実なのだ。。
今、自分には理解不能な判断、行動を上司、仲間が取っているのは上司、仲間なりの理由があるんだ、
という相手をリスペクトする気持ちがないと説得は不可能となる。
言葉に出さなくてもいい
「あなたが、そう考えるのは無理もないことですよね。。」
という気持ちがないと、話が始まらない。。
この2つの気持ちがあって、初めて説得交渉が開始できる。
説得が成功するかどうかは予断を許さないが、少なくともあなたの心は地獄から解放されるはず、、だ
(はず、、というのは、私は実行できなかったので断言できない。。)
でも、これができるようなら、きっとあなたは凄い人物になっていることだろう。。
ほとんどの人は、渦中にあってこのような心の余裕を抱くことは難しい。。
そう、だから、そういう状況から一刻も離れることは、賢明な選択なのだ。。