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課長がするべき“たった1つ”の努力

サラリーマンはカコクな稼業

皆さんご存知の通り、中間管理職、ことに末端である“課長”職は極めてカコクな仕事です。
近年、コンプライアンス絡みで雑用や制約は増える一方、ノルマやプレッシャーは減るどころか増えているのが実情です。
そんな状況の中、現場の課長さん達は、皆懸命に努力を重ねています。
しかしながら、その努力はなかなか報われないのが、悲しい現実です。。

特にチームメンバーのマネジメントは、課長職の中心的な仕事であり、最も難しい仕事です。

理想的には“チームメンバーのやる気を出させ、効率よく働かせる”ことが出来れば良い、どの教科書を開いてもそう書いてあります。

しかし現実は「部下は私の言うことは聞かないくせに、会社や私の批判はいっちょ前なんだよなぁ」
と思っている課長さんが大多数なのではないかと思います。

そうなんです!
部下は、指示は話半分しか聞かないし、業務より上司の値踏みに熱心に取り組んでいるんです!

では、なぜそのような非効率な職場が現実なのでしょうか?

業務上の支持は全然伝わらないのに、一見仕事に無関係などうでもいい情報は、なぜ光速で伝わるのでしょうか?

それは、人間は機械ではなく動物だからです。

人間は考える前に感じているのです。

では部下は何を感じるのか?

それはあなたの気持ちです。
部下はあなたの一挙手一投足を注視し、あなたの気持ちを探るのに一生懸命なのです。
この人は“我々を導いてくれるリーダー”なのか?ということを感覚的に探っているのです。


気持ちが大切

はっきり言います!
上司から部下へ伝わる情報の99.9%はエモーショナルな物です。

言い換えると、あなたの気持ちは、業務上の指示より1000倍カンタンに伝わります。

ということは、指示の出し方や仕事の進め方などの業務的なノウハウをいくら磨いても、
気持ちの持ち様を変える方が1000倍効果があるということです。

では、どのような気持ちを持てばよいのでしょうか?

それは“命がけでチームのミッションを遂行したい”という気持ちです。
命がけという所が非常に大切で、これは究極の当事者意識を意味します。

そして、このドキュメントの結論なのですが、
課長は“命がけでチームのミッションを遂行したい”という気持ちを持つように努力すればよいのです。

課長であるあなたの当事者意識を上げることは、マネジメント上のノウハウを勉強する何万倍もの効果を発揮します。

「おいおい昭和の根性論じゃあるまいし時代遅れだよ!」とか
「創業者じゃあるまいし、しがないサラリーマンの俺には無理だよ!」とか
「チームのミッションは上からふってきたんだから、そんなポジティブになれるわけないでしょ!」とか
思われる方が多いのではないでしょうか?

でも人間が動物である以上、
“部下はあなたの当事者意識を四六時中チェックしている”
このことは、いにしえの昔から未来永劫変わらない真実です。


A課長とB課長

納得できない方もいらっしゃると思うので例を示したいと思います。

ここにA課長とB課長の二人の課長がいます。

A課長は「べらんめぇ」調の話し方をし、パワハラすれすれの接し方をします。
部下が仕事のことで困って相談しても「そんなこと、いちいち俺に聞くな!自分の頭で考えろ!」と怒鳴ったりします。

一方、B課長は勉強熱心でスマート、いまどきの優等生課長です。
部下が仕事のことで相談すると手取り足取り丁寧に指導してくれます。

A課長は上から無理目の指示が出ても決して文句は言いません。
但し、A課長が納得いかない指示が上から出たときは上と超ケンカします。

一方、B課長は上から理不尽とも思える指示が出ても、必ず「わかりました」と言って持ち帰ります。
そして「そんなの無理だよなぁ。。」とチームメンバーを交えて愚痴ります。

ある仕事の締め切りにあたってA課長、B課長、両方のチームに、とんでもなく困難な状況が訪れました。

A課長は皆を集めてトコトン議論した結果、自分達だけではどうしようもない、という結論に達しました。
そして、プライドをかなぐり捨てて知人や他の部署に土下座して助けを求めました。
しかし、結局、その努力は報われずノルマは達成できませんでした。
そしてA課長は報告会で「全ては私の責任です。申し訳ありませんでした。」と謝罪しました。

B課長は困難な状況をチームメンバーで共有し
チームメンバーに対して、「これはそもそも無理な目標なんだ」ということを一生懸命、論じました。
B課長の論理は明確で非常に説得力があります。メンバーもそんな無理な目標を与える上が悪いと思うようになりました。
そしてB課長は報告会の当日、なんと欠席してしまいます。代理で出席したメンバーが
B課長の論理展開を見事に説明し、「(無理な目標に対して)我々はこれだけ頑張りました」と主張しました。
この結果、報告会ではあまり追求されることはありませんでした。

マネジメントスキルでは、B課長がA課長より100倍上手です。
しかし、メンタルな部分ではA課長がB課長の10倍すばらしいです。

さて、あなたが部下ならどちらの上司が安心して働けるでしょうか?
もちろんA課長ですよね!

そうなんです。結局、我々人間はエモーショナルな動物なのです。

ここで示した例は、フィクションであり極端なものです。
実際、A課長は部下が萎縮するようなことはしないだろうし、B課長はこれほど無責任なこともないでしょう。
しかし、ここで示した例に近い状況は、そこらじゅうに存在するはずです。

くどいようですが気持ちが大切

あなたがもし、めでたく“命がけでチームのミッションを遂行する覚悟”を持つことができるようになったとしましょう。

そうすればチームメンバーは「この人についていけば間違いない!」と思うようになります。
そして、皆、安心して自分のするべき業務に集中しだします。

そればかりか、あなたの命がけの覚悟はチームメンバーに伝染していき
皆がチームとしてのミッションを遂行するために知恵を搾り出します。

そう!全てがうまく回りだすのです。

さあB課長からA課長へ変身しましょう。
そこには楽しい会社生活が待っています!


次回は課長より上、部長や社長について語りたいと思います。。

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