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【仮想通貨とリーマン・ショックの意外な共通点】映画「マネー・ショート」が教える教訓とは?

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月日の経つのは早いもので… もうすぐリーマンショックから丸10年です。

リーマンショックとはリーマン・ブラザーズというアメリカの名門銀行が倒産し、世界を恐慌の一歩手前まで追い詰めた事件です。

それまで投資銀行が経営破綻したことは一度もありませんでした。まさに前代未聞のことが起こったのです。

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アラサーの中には、こいつのせいで就職が超厳しかった人もいるのではないでしょうか? 憎っくきリーマン・ブラザーズですよね!

でもリーマン・ブラザーズも犠牲者の一人なんです。あの時、アメリカ、いや全世界がバブル景気に浮かれていました。そして、それが弾けてリーマンも弾けた泡に飲み込まれたのです。

この記事ではリーマンショクから10年たった今、そのバブル崩壊の直前の状況を振り返りたいと思います。なんと!仮想通貨市場との意外な共通点も見えてくるので、仮想通貨に関心のある方も必見ですよ!

 

実は1年前に崩壊は始まっていた!

リーマン・ブラザーズの経営破綻がとても象徴的なので、2008年9月がバブル崩壊のその時だと思っている方も多いと思います。しかし、実はリーマン・ブラザーズが破綻する1年前から大きな予兆はあったんです。

それが2007年7月に起こったサブプライムローン証券市場の崩壊です。

 

サブプライムローン??

ローン証券市場??

若い人にはちんぷんかんぷんでしょう!

 

詳しく説明します。ご存知の方は読み飛ばしてください。

サブプライムローンとはリスクの高い住宅ローンで、日本でいうと、ひと昔前のサラ金みたいなものです。サブプライムローン証券とはその住宅ローンを証券化した金融商品で、それ自体が市場で取引されています。

そして、2007年7月まで凄い勢いで上昇していたサブプライムローン証券相場が突然暴落したのです!基本的に日本の土地バブルと同じですね…

土地の値段が上がるから、借金をしてまで土地を買う人が増えて、買いたい人が増えるから、更に土地が上がる… でもある時、突然ハジける!バーン!これが住宅ローンを元にした証券市場で起こったのです。

 

当時、このサブプライムローン証券市場の崩壊は、それなりにヤバイことだったんですが多くのアメリカ人とアメリカ政府は

いやいや大丈夫っしょ!

と、たかをくくってたんですよ…

 

というのも、アメリカの住宅ローンの中には、もっと安全で金利の安いローン(=日本でいうと普通の住宅ローンです)もあって、それらを証券化した商品は超安全(AAA)だと思われていました。

だから、2007年にサブプライムローン証券市場が崩壊した時点では、住宅ローン証券市場全体はまだまだ盤石だと思われていたんです。

でも、安全だと思っていた住宅ローン証券の中身が、蓋を開けてみれば全てクズ証券だったということがわかり、とうとう金融業界すべてが破綻しちゃった!というオチが冒頭のリーマンショックです。(みんなが実情を理解するまで1年以上かかったんですね!)

 

こちらもどうぞ↓

バブル直前 - 仮想通貨と同じ値動き? 

で、問題はサブプライムローン証券市場の値動きなんですが… 2007年7月に市場が崩壊する直前に相場は一旦上昇します。

 

実はこれと同じ事がつい最近も起こっているんです… そう!仮想通貨バブル崩壊です!

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え!?仮想通貨は崩壊なんてしてない?これからまた上がる?

まぁ、それに関してはここでは深くツッコみません。でもチャートを見ると、とても興味深いことがわかってきます。赤丸で囲った部分です!これをよく見ると、本格的に相場が下落する直前に一旦下がった相場が急に戻しています。

拡大するとこの部分です。  

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この時の心理状況がリーマンショックの時と全く同じなんです。

強気相場に慣れた人は「まだまだ仮想通貨のポテンシャルはこんなもんじゃないよ!」と思っています。そこに一時的(と思っている)下落が訪れます。すると強気相場に張っている人はやったー!超買い時じゃん!と思い、買い圧力が一時的に増加、そして相場が一旦戻ります。

 

つまり、本格的な崩壊の直前には上げ相場が発生するんです!(ここ大事!テストに出るんでよ〜く覚えておく事www)

 

「空売り」しかける?

では、タイムマシンに乗って今年のはじめに戻れるとしたら、あなたはどうしますか?「仮想通貨市場で大きな下落がある!」って知ってるんです…

そう!空売りをしかけますよね…

空売りとは相場が下がると利益が出る投資手法のことを言います。世の中にはそんな便利な金融商品があるんですね!

今年のはじめ、仮想通貨相場が大きく下げた時にこの空売りをしかけられた人がどれぐらいいるか?は知りません。でも最後までやりきった人は大儲けしたはずです… 私がその一人です。(嘘です)

 

今年(2008年)はじめ、仮想通貨が大きく下落したその時、既にビットコインFXっていう物があって、一般の人でも手軽に空売りオプションを買うことも、売ることも簡単に出来たんですよ!だから、タイムマシンに乗って、今年のはじめに行って、相場が暴落する前に空売りをしかければ

グハハハ!

ってなるんです…

 

でもね、でもね、

冷静になって考えてみてください! 今年のはじめ時点では下落が一時的なものか?それともその後ズドーンと落ちるか?は誰も知らないんです。

 

もう一度チャートを見てみましょう! 一旦下げて、また上がった時点では、その後、もしかしたらまた爆上げするかもしれないんですよ!(実際は下がりましたが…)

もし、空売りを仕掛けて相場が上がると大損こきます!

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そう!【未来どうなるか?わからない状態】で空売りをしかけるととんでもない地獄が口を開けて待っているんです…

 

バブル時に空売りしかけた勇者たち

空売りの地獄、それは映画が教えてくれます。

リーマンショックの時も空売りで大儲けした人達がいました。その実話に基づいて創られた映画が「マネー・ショート」です。(原題は The Big Short で、shortは空売りの意味) 

eiga.com

この映画、とにかく面白くて、よく出来ています。役者さんの演技も超うまくて、本当に自分がウォール街のその現場にいるような気になります。投資に興味がある方は絶対見て損しない映画です!

 

映画の主人公たちは2006年の段階からアメリカ住宅ローンを証券化した市場はバブルだと確信し空売りを仕掛けます。

そして、バブル崩壊が最初に顕在化するのが2007年1月11日です。

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サブプライムローンの焦げ付きが100万件以上になったのです。住宅ローンを証券化した金融商品の土台である住宅ローン自体が焦げ付いたのです!

空売りを仕掛けていた主人公たちは

とうとうその時が来た!

と色めき立ちました…

しかし、これが地獄の始まりなのでした…

 

自分を信じられない地獄

普通、証券の元となっているローン自体がほとんど破綻しているのですから、「これで市場は暴落でしょ!」と思うじゃないですか… しかし現実は違いました。

待てど暮らせど、サブプライムローンを証券化した商品の値段は下がらず、逆に上昇してしまいます。まさに仮想通貨市場で説明した事が起こっていたんです!

 

そして、その年(2007年)の夏になってやっと、サブプライムローン証券の市場が崩壊します。その半年間の間、映画の主人公たちは針のむしろの上、もう自分を信じられるか?信じられないか?ギリギリの所まで追い詰められます。

 

2006年に空売りを仕掛けた時は「ふふっ今に見てろよ!みんな浮かれていられるのも今のうちだからな!」という感じでした。

しかし、一旦、強烈で明確な市場からのサインが出たにもかかわらず、本丸の証券化市場が全くビクともしないのを見ると「俺の仮説は間違っていたのか?」と疑心暗鬼になってきます。

最初は周りから責められても「わかっていないのはお前なんだよ!」という気持ちでいられたのが、もしかしたら、自分はとんでもない間違いを犯したのではないか?と思うようになってくるのです。

それに耐え抜いて生き残った一握りの人間が、映画の主人公たちだったんです。おそらく、その10倍〜100倍の金融関係者が空売りを仕掛けたんじゃないか?と推測します。しかし、このとてつもなく過酷な逆境の中で、ほとんどの人は脱落していったんじゃないか?と思うんです。私もビットコインFXで空売りしかけて大ヤケドした一人です。(嘘です)

 

冒頭に述べたように、サブプライムローン証券市場が崩壊してからリーマン・ブラザーズが倒産するまでには、さらに1年の歳月が必要になります。この間もおそらく証券市場は乱高下したんだと思います。(その間の詳細は映画では語られていません)

 

その間、自分が保有している空売りオプションを売りたい衝動に何度も襲われたと思います。でも最後の最後まで主人公たちは手放さなかったのです。

映画の最後の所で出てきますが、いくら空売りオプションを持っていても、それを支払う人が倒産してしまったら、その価値はゼロ、紙くずになってしまいます。

紙くずになるか、ならないか?のギリギリの所を狙えば、一番儲けが大きくなります。でも、ライバルが空売りオプションを行使して、支払う側の銀行が破綻したら、おじゃんです!

もう本当に究極の心理戦ですね…

 

リーマンショックから得られる教訓

リーマンショックの舞台裏、いかがだったでしょうか? 当事者でないと知り得ないドラマがありましたね…

では、ここから得られる教訓は何でしょうか?

 

バブルに浮かれとったら痛い目あうで!

 

うん、それはそうですね… でも映画はもっと深い投資の掟を教えてくれました。

相場がバブルの時、先見の明がある人はめっちゃ儲けることができます。人に先んじて逆張り(空売り)をしかければ良いのです。

しかし、それはイバラの道生き地獄なんです! 普通のメンタルを持った人が飛び込むとヤケド必至です…

 

つまり、映画から得られる教訓は

空売り

ハガネメンタル

必要だ!

ということですね…

 

ハイ、現場からは以上です。

 

 

最後に蛇足になりますが、あと1〜2年で株式相場のバブルが弾けると主張している方もいらっしゃいます。でも空売りを仕掛けるのはくれぐれも気をつけようNE

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